【白い巨塔】
「医療に絶対はない。だから医者は悩まなければならない。」
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医学界の実態と人間の尊厳を描いた名作医療ドラマを、25年ぶりにリメイク。えげつないまでの権力闘争と医療のあり方についての真摯な問いかけとが交錯する“白い巨塔”の世界!浪速大学医学部第一外科の教授選。その座を狙う助教授の財前と、そうはさせじと画策する現教授の東の両陣営が激しく繰り広げる。財前とは水と油の病理学教授。あざとさと繊細さと華麗さとが折り重なり合う怒涛の展開に、いやが応にも第二部へ。
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【第一部】

「教授選 東教授との確執」
国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎(唐沢寿明)。食道噴門癌の手術を得意とし、マスコミでも脚光を浴びている彼は、当然、次期教授に納まるものと自他ともに認めていた。しかし、現教授の東(石坂浩二)は、財前の傲慢な性格を嫌い、他大学からの移入を画策。産婦人科医院を営み医師会の役員でもある岳父の財力とOB会の後押しを受けた財前は、あらゆる術策をもって熾烈な教授選に勝ち抜こうとする。

第1話「再読」
財前(唐沢寿明)は、大阪・浪速大学付属病院の外科助教授。次期教授への野心を抱くも、その確かな手術の腕前は、柳原(伊藤英明)ら医局員のあこがれの的となっていた。そんな中、財前は大阪府知事のがん切除に成功、世間の注目を集める。一方、内科助教授・里見(江口洋介)は、医学部長の鵜飼(伊武雅刀)が診た患者・みどり(河合美智子)への診断に疑問を感じ、財前に相談。財前の診断でみどりのすい臓がんが見つかる。
白い巨塔
第2話「贈り物」
みどり(河合美智子)のすい臓がん手術を断わった財前(唐沢寿明)。だが、東教授(石坂浩二)の出張時に“緊急オペ”として手術すれば、医学部長の鵜飼(伊武雅刀)の誤診を悟られずにすむとよみ、里見(江口洋介)に手術を引き受けると申し出る。里見は、東の許可を得ず手術をすることに疑問を覚え財前に反発するが、財前は手術を強行。がん摘出に成功する。
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第3話「土下座」
鵜飼(伊武雅刀)懐柔のために、又一(西田敏行)の提案で400万円の絵を贈った財前(唐沢寿明)。だが、預かっておくとだけ言われ、この行為がのちに問題になるのではと不安になる。一方、東(石坂浩二)は自分の後任として財前を推さない決意を固めていた。さらに東は、みどり(河合美智子)の手術が緊急オペとしてなされたことに疑問を抱き、みどりの担当・里見(江口洋介)から事情を問いただす。里見は、緊急オペをする必要がなかったことを証言。財前を潰すチャンスとよんだ東は、財前を査問にかけたいと鵜飼に申し出る。
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第4話「落選」
浪速大学付属病院に出入りする製薬会社社員・加奈子(木村多江)が財前(唐沢寿明)と里見(江口洋介)の前で倒れた。加奈子は全身にがんが転移し、財前は何もしてやれないと判断するが、里見は有効な治療法を探る。一方、東(石坂浩二)は水面下で学問にも優れ、佐枝子(矢田亜希子)の結婚相手ともなりうる石川大学教授・菊川(沢村一樹)を後継者に決める。
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第5話「祝宴」
里見(江口洋介)は、加奈子(木村多江)をほかの病院へ移すようにと言う鵜飼(伊武雅刀)からの再三の要求をのめずにいた。悩んだ揚げ句、里見は病理学科教授・大河内(品川徹)に加奈子の延命法について指導を仰ごうと決意。大河内は、里見の患者への熱心さに感服し、加奈子の治療相談を引き受ける。一方、財前(唐沢寿明)は、オペの終了を報告するため訪れた東(石坂浩二)の部屋で、東が後任にしようと企てる菊川(沢村一樹)と遭遇。財前は菊川を憎々しく思うが、菊川は冷静な態度でみずから名のり、財前に握手を求める。そんな折、財前の患者で建設会社社長・五十嵐(大林丈史)が無事に退院を迎える。五十嵐は、自分を救ってくれたお礼にと、財前に病院への1億円の寄付を約束する。
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第6話「父の姿」
大河内(品川徹)が教授選考委員長に就任。財前が教授になれるよう、工作する鵜飼(伊武雅刀)は不安を覚える。一方、危機感を覚えた財前(唐沢寿明)は、大河内との仲をとりもつことを条件に、加奈子(木村多江)の延命手術を引き受けてもいいと里見(江口洋介)に提案する。だがその矢先、竹内(佐々木蔵之介)に転院するよう言われた加奈子が病院を抜け出してしまう。
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第7話「毛嫌い」
大河内(品川徹)の提案で、東(石坂浩二)の後任の教授は全国公募で選ぶことに。菊川(沢村一樹)を自分の後任に迎えたい東は、かえって菊川を表立って推薦しやすくなったとほくそ笑む。全国公募の知らせを受けた財前(唐沢寿明)は冷静を装うものの内心大慌て。東の自宅を突然訪れ、勉強のため2週間後に東が執刀する手術の助手を務めたいと申し出る。財前の本当の目的がつかめない東は無気味に思うが、当日の手術は東と財前の息がぴったり合い大成功。東は、久しぶりに飲みにいかないかと財前を誘う。
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第8話「決戦」
財前(唐沢寿明)は、自分を快く思っていない大河内(品川徹)に取り入ろうと研究室を訪問。教授をめざすのは、医者としての純粋な使命感からだと切に訴える。だが話に聞く耳をもたない大河内に、財前は渋々引き下がる。そんな中、水面下では財前派と菊川派の票集めの動きが激化。鵜飼(伊武雅刀)らと会食した又一(西田敏行)は、予想される財前への票が少ないことに焦る。一方、票集めに自信をもつ東(石坂浩二)は菊川(沢村一樹)の教授当選を確信。財前への同情票を心配する菊川に、安心するよう言い渡す。
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第9話「正念場」
里見(江口洋介)は新しい患者・佐々木(田山涼成)にがんの可能性を見いだし、財前(唐沢寿明)に相談。財前は、食道がんとの診断を下してオペを受理し、柳原(伊藤英明)を担当医に任命する。一方、選挙戦は東(石坂浩二) が投票権を棄権したことで、東の支持する菊川(沢村一樹)への同情票が発生。しかし、全員が過半数票に満たず、教授選は上位の財前と菊川で再度行なうことに。混戦する教授選に思い余った佃(片岡孝太郎)は菊川を訪ね、教授選を辞退するよう脅迫。激怒した菊川は、教授選候補を降りると言いだす。
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第10話「一部最終回・無常」
佃(片岡孝太郎)らが菊川(沢村一樹)に教授選辞退を迫った一件が教授選考委員の知るところに。大河内(品川徹)らの機嫌をますます損ねたと考えた鵜飼(伊武雅刀)は、「決選投票の負けは必然」と財前(唐沢寿明)に冷たくあたる。財前は暗に鵜飼を脅し、最後の票集めに協力してくれるよう頼み込む。一方、里見(江口洋介)は、手術を控えた佐々木(田山涼成)が、自営業者で長期間は仕事が休めないことを心配。財前が手術を年内最後の診療日に手配したと聞き財前に感謝する。だが、財前がこの日に手術を設定したことには、ある狡猾な狙いがあった。
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【第二部】
「裁判と判決 転落していく財前五郎」
教授に就任した直後、財前(唐沢寿明)はドイツ外科学会から特別講演に招聘され、得意の絶頂に。そんな最中、里見(江口洋介)から相談された胃癌の患者・佐々木庸平(田山涼成)の検査、手術を担当するが、保険扱いの患者で中小企業の社長であることから高圧的で不誠実な診療態度に終始。胸部レントゲン写真に映った陰影を癌の転移巣ではなく結核の瘢痕と判断、多忙を理由に受持医の柳原(伊藤英明)や里見の進言を無視して術前の断層撮影検査を怠り手術。術後に容態が急変しても、癌性肋膜炎を術後肺炎と誤診し、受持医の柳原に抗生物質「クロラムフェニコール」の投与を指示したのみで、一度も診察せぬままドイツに出発。しかし、その後佐々木は呼吸困難を起こし、手術後21日目に死亡する。里見の説得で遺族は病理解剖に同意し、大河内(品川徹)が行った病理解剖の結果、死因は術後肺炎ではなく癌性肋膜炎であったと判明する。遺族は診療中の財前の不誠実な態度に加え、一家の大黒柱を失ったことにより民事訴訟提訴を決意する。

第11話「待望の第二部衝撃スタート!!天国と地獄」
年が明け、第一外科は新体制を迎えた。教授に就任した財前(唐沢寿明)は、国際学会の準備を進める。一方、里見(江口洋介)は、手術を終え回復するはずの佐々木(田山涼成)の咳に肺炎の疑いをもつ。だが財前は、手術前に見えた炎症反応のせいだとかたくなに否定。里見の意見に聞く耳をもたず、柳原(伊藤英明)に佐々木の処置を任せて旅立つ。ワルシャワで公開オペと講演を行なった財前は、世界中の医師から大絶賛を浴びる。その夜、ホテルに戻ると、里見から佐々木の容態悪化を告げるメールが届いていた。
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第12話「捨て身」
財前(唐沢寿明)が、国際医学会から帰国。空港で財前を待っていた里見(江口洋介)は、解剖で佐々木(田山涼成)の肺にがんが見つかったと伝え、処置の誤りを指摘する。だが、財前は断固としてミスを否定。よし江(かたせ梨乃)への謝罪を申し出る柳原(伊藤英明)までもきつく叱咤する。一方、財前への怒りがおさまらないよし江は、裁判を起こそうと決意。だが、浪速大学病院が相手とわかるとすぐ断わられてしまう。数々の弁護士事務所を訪ね歩く中、よし江は、佐枝子(矢田亜希子)が働く関口(上川隆也)の事務所にたどり着く。
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第13話「カルテ改ざん」
よし江(かたせ梨乃)の依頼を受けた弁護士・関口(上川隆也)が、証拠保全のため速浪大学病院を訪問。裁判に持ち込まれることを恐れた財前 (唐沢寿明)は、証拠になりうる書類を事前に隠す。関口は、病院側の固いガードに敗訴を確信する。さらに鵜飼(伊武雅刀)は万全を期し、弁護士の国平(及川光博)に事故調査を依頼。国平は第一外科の面々と里見(江口洋介)を集め、死んだ佐々木のカルテの改ざんを推奨。里見はがく然とし、その場を中座する。翌日、よし江の家を訪れた里見は、佐枝子(矢田亜希子)や、裁判をあきらめるようよし江を説得に来た関口と鉢合わせる。
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第14話「母の涙」
里見(江口洋介)は、患者の家族側に立ち証言する決意を。だが、弁護士の国平(及川光博)が里見を訪問し証人を降りるよう脅迫。三知代(水野真紀)は、里見に証人を辞退してほしいと懇願する。第1回証人尋問では、大河内(品川徹)が患者の死因を肺がんと証言。自分に不利な展開の尋問を見た財前(唐沢寿明)は、2回目の尋問の前に柳原(伊藤英明)を呼び出す。
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第15話「判決」
第2回目の証人尋問が開廷した。柳原(伊藤英明)は、葛藤しながらも財前(唐沢寿明)に有利な証言を。よし江 (かたせ梨乃)も国平(及川光博)の巧みな質問に苦しみ、証人尋問は財前に有利な展開に。そんな中、難病の少女・美香(宮澤亜理沙)を診察した里見(江口洋介)は、財前に手術を依頼。だが財前は、裁判に苦戦しているため集中できないと言い、手術経験の浅い金井(奥田達士)に執刀を押しつける。一方、鵜飼の妻・典江(野川由美子)は三知代(水野真紀)を呼び出し、里見を証言台に立たせまいと陰湿ないじめを企てる。
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★第16話「妻たち」
財前(唐沢寿明)と里見(江口洋介)が証言台に立つ日が訪れた。里見は、よし江(かたせ梨乃)の亡き夫にがんの疑いがあったことを堂々と証言。関口(上川隆也)は、里見の勇気ある証言に感謝の意を示す。しかし、国平(及川光博)は、里見が同僚である財前に不利な証言をするのは、先に教授になった財前への嫉妬心からだと強く非難を浴びせる。数週間後、判決が言い渡され関係者らがどよめく中、裁判は終結。後日、季節外れの辞令で鵜飼(伊武雅刀)に地方大学への不当な異動を言い渡された里見は退職を決意する。
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第17話「一年後」
職を失った里見(江口洋介)のもとを大河内(品川徹)が訪れ、知人の運営する民間病院を紹介。里見は、大河内に感謝し申し出を受ける。一方、財前(唐沢寿明)は、がんセンターの設立を控えて忙しい日々を送っていた。ある日財前は、柳原(伊藤英明)を呼び出し見合い相手を紹介。告訴してきた関口(上川隆也)らの再調査に備え、柳原をさらに強固に抱き込もうとする。
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第18話「師動く」
財前(唐沢寿明)の診療に疑問をもった東(石坂浩二)は、関口(上川隆也)に知人の教授・正木(潮哲也)を紹介。それを察知した財前は、正木に鑑定させないよう手を回す。その後、関口は東の勧めで君子(西田尚美)に接近。証人になるよう懇願するが、君子は固く心を閉ざす。一方、再会した財前の傲慢さに憤りを感じた東は、みずから証言台に立つことを決意する。
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第19話「嘘だ!真実の叫び」
東(石坂浩二)が法廷に立ち、十分な検査を怠った財前(唐沢寿明)を批判した。だが国平(及川光博)は、東と財前に確執があったと強調。東が教え子の財前に不利な証言をするのは、個人的な恨みからだと糾弾する。国平に言い返せないまま尋問を終えた関口(上川隆也)は、財前の治療方針を責めるやり方では勝訴は望めないと確信。裁判の戦い方の変更を決意し、里見(江口洋介)に相談をもちかける。そんな中、新設するがんセンターのセンター長に内定した財前は、柳原(伊藤英明)に華子(三浦理恵子)との結婚を決めるよう催促。だが、柳原は偽証を隠し、財前のもとで出世することに強い疑問をもちはじめていた。
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第20話「最期の審判」
柳原(伊藤英明)の突然の発言に、法廷は騒然。予期しえなかった事態に財前(唐沢寿明)は、激しい怒りに震える。一方、柳原の窮地を目の当たりにした君子(西田尚美)は、閉廷後、関口(上川隆也)に裁判への協力を申し出た。君子から新たな証拠となる資料が医局にあると聞き目を輝かせる関口だが、その資料はすでに財前と国平(及川光博)に処分されていた。
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第21話(最終話)「財前死す」
東(石坂浩二)の執刀のもと、財前 (唐沢寿明)の手術が終わった。術後の療養に入った財前は、自分に投与されている点滴を疑問視。往診に訪れた東を問いただすが、投与剤は病状に適したものだとなだめられてしまう。だが術後も体調が優れず、右手にしびれを感じはじめた財前は、病院を抜け出し里見(江口洋介)の病院を訪問。里見に再検査を依頼する。
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